君への距離~僕らの未来~
広島。





「てめェ、運転中にケータイ出んなや!切るぞ!」


ガチャン





「ふふふ…自分からかけたくせに!」



グラスに冷えたビールを注ぎながら隣の女は笑った。




「いいんだよ!

俺がかけなくても誰かから…」



プルルルル…



「ほらな!」




ニヤリと笑って電話にでる。



「おう!アツシか?」





女はそんな一瞬で青春時代に戻る夫の姿を見て、呆れたように、でもどこか幸せそうに微笑んだ。





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