君への距離~僕らの未来~
東京、青山。




グキュルルル…



母親の膝の上でお腹の虫を鳴かせて、はしゃぎ疲れた少年は眠ってしまったようだ。




抱き上げて、すやすや眠る我が子を子ども部屋までそ~っと運ぶ。




「パパのお祝いはまた明日しようね…」



小さな体に布団をかけながら杏は母親の顔でふわりと微笑んだ。







プルル
プルルルル…




突然鳴りだした電話、



杏は慌てて、しかし息子を起こさないように気をつけながらその部屋をあとにした。







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