恋は残業の後で!
それから暫く静かな部屋に私と先輩のキーボードを叩く細やかな音だけが響いていた。
とにかく仕上げないと。
明日朝一なんだから
――
―
「ふぅ~」
何とか終わった。
「お疲れ。ん」
差し出されたのは缶コーヒーとサンドイッチ。
さっき席を外していたのは煙草かトイレかと思っていたけど、コ ンビニに行って買ってきてくれたんだ。
「ありがとうございます」
口は悪いし態度はでかいし人使いは荒いし厳しい先輩だけど、こんな風に優しいとこもあるんだよね。
なんて感動してると
「さっきお前の腹の虫が鳴いとった。腹空きすぎてぶっ倒れられても困るし」
「ひ、ひぇっ!」
腹の虫が鳴いたって?
何てことを言うんだ、この人は!
ニヤニヤ笑ってるし。
優しいなんて思ったのは撤回。
デリカシーの欠片もない男!