また、きみの隣で





まったく知らない駅に降り立ったあたし達は、目の前の桜を眺めては写真を撮り、しばらくそこで桜を見ていた。


「東京だよねここ? 東京にもこんな場所あったんだね」

「ね、俺も知らなかった」

こんな綺麗な場所なら、カメラとか持って来れば良かった、とリンはまた桜に視線を移した。



「せっかく良い場所見つけたから、少し歩いてみよ」と言うので、あたし達はまた宛てもなく歩き始めた。




しばらく歩いていると木のトンネルを見つけたので、あたしが行ってみよとリンの手を引いた。その中を10分ほど歩いていたら、急にひらけた場所に出た。小道の両サイドにひたすら緑が広がった、見渡しの良い場所だった。




< 102 / 120 >

この作品をシェア

pagetop