また、きみの隣で
「ここなんだろ、畑? なんかの野菜?」
目の前いっぱいに広がった緑を見ながら、リンは辺りを見回していた。
しばらくすると「あ! 千歳! 来て!」と、なにやら見つけたらしいリンがあたしを呼んだ。
「ほらこれ。ヒマワリだって」
リンが指差した先には『ヒマワリ』とだけ書かれた木の立て札があった。
「これ全部ヒマワリって事?」
「そうじゃない? これ全部咲いたら超綺麗だろうな」
「そうだね、夏にならないと」
辺り一面に咲いたヒマワリを想像しただけで、あたしの頬は自然とゆるんでいた。確かに、絶対綺麗だ。
「夏にまたここに来よう、ヒマワリ見に。今度はちゃんとカメラ持って」
リンは嬉しそうに口許をゆるめながらあたしに言った。
「うん、また来よう」
そういえば、まだリンの写真を撮った事なかったな、ヒマワリと一緒に撮りたいな、なんて事を考えながら、あたしは笑うリンの横顔を見ていた。