また、きみの隣で







『また明日』


そう言って手を振った。



明日は、なにも考えなくても当たり前に来るものだと思っていた。


朝目が覚めてベッドから起き上がれば、いつもと変わらない日が始まるものだと思っていた。






『明日』なんて、ただの言葉でしかない。

それが来る可能性なんて、100パーセントとは言い切れない。





そんな事、あの時あたしは考えもしなかった。




「もしも今が、手を振って別れた人との最後だったら、」






『また明日』





ーーーそんなものはもう永遠に、存在しないって事を。







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