また、きみの隣で






それから少しずつ仲良くなって、高2の夏、付き合い始めた。


お互いが初めての恋人で、どうする事が恋人らしい事かなんて全然わからなかったけれど、あたし達は幸せだった。










リンと最後に話したのは、高3の夏、駅のホームでだった。


ちょうど、リンが亡くなる6日前。

ふたりで受験勉強の息抜きに海に行って、その帰り、あたしが乗る電車がホームに到着して。




ーー「じゃあ、また明日」

「うん、また明日ね」



手を振って、ドアがゆっくり閉まる。






あたしを真っすぐ見つめる綺麗な瞳。





これが、あたしとリンの別れだった。










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