好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「合コン?」

「はい」

……驚いた。美希ちゃんって、結構おとなしいタイプだし、恋愛に積極的にも見えないけど、合コンなんて行ったりするんだ。

美希ちゃんは小声で続ける。

「実は私、本部のシステム課の金谷(かねや)さんのこといいなぁって思ってて。ホラ、たまに支店にも来るじゃないですか。先輩、金谷さん分かります?」

――システムの金谷さん。あまり会わないけど、美希ちゃんの言う通り、たまに支店に来るから顔は知ってる。たとえば、支店内でコンピュータートラブルやシステム障害とかが起こったときは、大抵はシステム課から金谷さんが来てくれる。

私すらあまり会うことがなくて、ましてや話したことなんてほとんどないんだから、私の後輩である美希ちゃんは、私以上に金谷さんと会うことも話したこともないはずだ。

でも、そんな美希ちゃんの気持ちは分からなくはない。金谷さんはまず、とにかく爽やかなイケメンさんだ。サラサラな黒髪で、長身でスラッとしている。年齢は、私の二個上のはずだから、美希ちゃんの四個上か。だからまだ二十代で若い人なのだけれど、仕事ができるエリートイケメンってもっぱらの評判だ。話し方も落ち着いてて、笑顔もやわらかくて、優しそうな人だったと思う。
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