癒しの王子と気の強いお姫様
「相変わらずモテるね、汐音は」
「そうよ、皓よりモテるの。だから早い者勝ちなんだから」
「ふーん。でもその割には誰ともつき合わないよね。なんで?」
「お、教えるわけないでしょ。自分で考えなさいよ」
なんでって…皓を好きだからに決まってるじゃない。だから早い者勝ちだって宣言してやってるのに、さっぱり気づきもしないんだから。
ホント超草食。
イライラしてお弁当をがっついていたら、にゅうっと私の方に手が伸びてきた。
「ゆっくり食べなよ。ご飯つぶついてる」
皓は私の口元についたご飯つぶを取ると、そのまま自分の口の中に運んでニコっと笑った。