癒しの王子と気の強いお姫様
「まさか、汐音に壁ドンされるとはな」
くくくと笑う皓。え、は?なに?
いま目の前で笑っている男は誰ですか?
皓のはずなのに皓じゃない。
そして今度は私の方が壁に押しつけられ身動きが出来なくなった。
「あの…、皓だよね?」
「当たり前だろアホ汐音。もういい加減猫かぶりはヤメだ。なにが癒しの王子だ。寒気がする」
「え、何がどうなってるの?」
「そんな説明は後だ。それよりさっきのアレはなんだ。なんで他の男にキスされてんだ馬鹿が。お前の気持ちなんてダダ漏れなんだから、とっくの昔に知ってたに決まってんだろ。鈍感女」
暴言を吐き捨てると、皓は私の唇をいとも簡単に奪った。あぁ…気持ちいい。
初めて好きな人とキスしてる。ふわふわした感覚のまま皓の首に腕を巻きつけた。
「ホントの俺が嫌だと言っても離さねーから覚悟しろ」
「うん。どんな皓でも大好き」
END
(俺様の演技大したもんだろ)
(俺はキスしろなんて言ってねーよ)
(それも作戦のうちだろ)
(今後二度と触るな)
