癒しの王子と気の強いお姫様
「あ、ごめん」
皓は私が抱きしめられている場面を見たというのに、何事も無かったように去って行く。
そうよ、いつだってそう。皓はこうやって私の気持ちに気づかずに私を傷つける。
無性に腹が立ち、雪平を振り払って皓を追いかけた。
「待ちなさいよっ!!」
皓の腕を掴み、力任せに体ごと廊下の壁に押し付けた。
「どうしていつもそうなのよっ!」
「なにが…?」
「私ばっかりアンタの行動や言動にいちいち振り回されて。皓は私の事なんて眼中にないのは知ってるけど、それでも私は皓が好きで仕方ないのよっ!」
泣きたくなんかないのに、涙がポロポロと溢れて止まらない。怒りのあまり、勢いで告白してしまった自分が情けないやら悔しいやら。