恋する予感





「ありがとう。それと、此処まで送ってくれてありがとう」

「いいえ」

「今日は助かったわ。まさか潰れるだなんて思ってもみなかったわ…」

「先輩、今日ペース早かったし、最後間違えて俺の酒を一気飲みしてたから、それで酔いが回ったんですよ。あの酒、度数強かったから…」

「そうなんだ…。ハァ~…お酒も自粛しようかしら」

「そうですね。あんな無防備な姿を見せられたら、ヒヤヒヤします。もう俺が居ないところでは飲んじゃダメですよ?」

「…何で佐伯が居ないとダメなのよ…。第一、私がお酒を自粛すれば、あんたは私と飲まなくて良くなる分、他の女の子と出掛けられるでしょ?一石二鳥じゃない」

「……それ、どういうことっすか?」

「私なんかと金曜日を過ごすより、若い子達と過ごしなさいって言っているのよ」

「っ……何で急に…」

「だってそうでしょ?私なんかと一緒に居たら、彼女なんて出来ないわよ?」

「っ……俺は別にそんなことを臨んでるわけじゃないです」









私の言葉に佐伯が苦しそうな表情をしていたけれど、今はそんなことを構っていららる余裕はなかった。
重たい空気に耐えられない私の口は、止まることを知らなかった。




< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop