悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「もうリカってば……」
毅然と歩いていく後ろ姿を見送ると、俯く亜美の肩をぽんと叩き、軽い調子で声を掛ける。
「今のはただ意地になってただけで、本心じゃないと思うよ。気にしないでおこ」
あたしは手に持ったままの、濡れた靴を掲げてため息を吐き出す。
「でもリカがやってないってのは本当かも。今までの嫌がらせとは違って悪質だし、たぶんお嬢様グループの中の誰かがやったんじゃないかな。ホント悔しいわー」
あたしをよく思ってない人がリカに便乗したか、リカのためとでも思ってやったのかもしれない。
本当にタチが悪いよ……。
「……亜美?」
眉根を寄せていたあたしは、亜美がまだ俯いたままでいることに気付く。
ボブの髪に隠された顔を覗き込んでみると、その瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうになっている。
そんなにショックだったのかな。
「亜美、そんな気にすることないって」
「……ごめん。ごめんね、ひよちゃん……」
なぜかあたしに謝る亜美。
よく意味がわからず首をかしげていると、彼女は顔を上げ、涙をいっぱい溜めた瞳であたしを見つめて言う。
「私は、何があっても絶対にひよちゃんの味方だからね」
毅然と歩いていく後ろ姿を見送ると、俯く亜美の肩をぽんと叩き、軽い調子で声を掛ける。
「今のはただ意地になってただけで、本心じゃないと思うよ。気にしないでおこ」
あたしは手に持ったままの、濡れた靴を掲げてため息を吐き出す。
「でもリカがやってないってのは本当かも。今までの嫌がらせとは違って悪質だし、たぶんお嬢様グループの中の誰かがやったんじゃないかな。ホント悔しいわー」
あたしをよく思ってない人がリカに便乗したか、リカのためとでも思ってやったのかもしれない。
本当にタチが悪いよ……。
「……亜美?」
眉根を寄せていたあたしは、亜美がまだ俯いたままでいることに気付く。
ボブの髪に隠された顔を覗き込んでみると、その瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうになっている。
そんなにショックだったのかな。
「亜美、そんな気にすることないって」
「……ごめん。ごめんね、ひよちゃん……」
なぜかあたしに謝る亜美。
よく意味がわからず首をかしげていると、彼女は顔を上げ、涙をいっぱい溜めた瞳であたしを見つめて言う。
「私は、何があっても絶対にひよちゃんの味方だからね」