悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
よからぬことを考えていると、ペットボトルのフタを閉めながら涼平が言う。


「そういえば、リカちゃんは元気にしてるー?」


その瞬間、ガシャーン!と派手な音を立てて、サブがシンバルを落とした。

おいおい、動揺しすぎだよサブちゃん。わかりやすいな。

皆一様に笑いを堪える中、ひよりが平静を装って答える。


「うん、元気元気。文化祭にはリカも誘って、一緒に皆のライブ見に来たいと思ってるよ」


あれからリカちゃんとは一度も会ってないが、ひよりから聞く限りはうまくやっているようだ。

彼女も反省しただろうし、俺もあの時のことを蒸し返すようなつもりは一切ない。


「俺らはもう全然何も気にしてないから、遠慮するなよ。って言っといて」

「そうそう! リカちゃん来ないとサブのやる気もMAXにならないからさー」


俺と涼平の言葉に相模も頷き、サブは相変わらず耳まで赤くしている。

ひよりは安心したような笑みを浮かべながら、「ありがとう」と言った。

そして、何やらぼそぼそと口を動かす。


「やっぱり秋ちゃんより、サブさんの方がうまくいきそうなのになぁ……」

「ん?」


今“秋ちゃん”がどうのって言わなかったか?

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