悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「んぁ……っ!?」


驚いて飴玉と同じように目を丸くしたひよりの顔が、みるみる赤く染まっていく。

おもしれー。イチゴ味の飴みたいだ。


「ごほうびって? 何あげるんすか、柳クン?」


目が溶けるんじゃ、ってくらいニヤニヤしながら見ていた涼平が、俺にすり寄って聞いてくる。

そういや、言ったはいいけど何も考えてねーや。


「んー……ひよりが欲しいものやるよ」


適当にそう言うと、相模が意地悪そうな笑みを浮かべる。


「だって。やったね、ひよりちゃん。今から考えときなよ、プラダのバッグとか財布とか」

「おいコラ相模」


爽やかな笑顔で怖いこと言うんじゃねー。


そんな俺達のやり取りを見ていたひよりに、やっと楽しそうな笑顔が広がった。

そして、手に持った飴をためらいつつも渋々口に運ぶ。

いちいち恥ずかしそうにして俯いているアイツが可愛くて、俺もつい口元が緩んでしまいそうになる。


しかし、自分でやっといてナンだけど……

自分が舐めた飴が女の子の口の中に入ってるって、なんかエロいな。うん。

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