悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「大地って今小6だっけ?」

「そう、中学受験だよ。あの子なら絶対大丈夫だと思うけど」

「ちっちぇー頃から妙に頭良かったもんな」


正義感も強くて、俺がひよりにちょっかい出してると、大地は『ぴよちゃんをいじめるなー!』って怒ってたっけ。

“ぴよちゃん”って完璧ひよこじゃねーか。

ってつっこんでたんだけど、いくらなんでももう間違った呼び方はしてないだろうな。


懐かしいあの頃を思い出しながら含み笑いしていると、隣から若干トーンが下がった声が聞こえてきた。


「問題は、大地よりあたしだよ」


俺の肩くらいの身長のひよりを見下ろすと、彼女も俺を見上げてクスッと笑う。


「エスカレーター式に上がれる大学じゃなくて、別のとこにしようと思ってるの。絵の勉強が出来るとこ」

「へぇ……いいじゃん」

「うん。なんか冒険してみたくなって。まだ親には言ってないんだけどね」


そうか、ひよりも自分の道が見えてきたんだな。

絵の才能なんて皆無の俺が言っても説得力ないけど、ひよりは本当に絵を描くのが上手だ。だからフライヤーも頼んだんだけど。

その力を伸ばそうとしてると知って、なんだか俺も嬉しくなった。

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