悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「そういえば、フライヤーとかいうののイラストは進んでるの?」
物思いに耽っていたあたしは、リカの声で我に返る。
そうそう、フライヤーはあれから試行錯誤して、何枚かラフを描いてみたんだよね。
「うん、とりあえず簡単に何枚か描いたから、また柳達に見せて選んでもらうつもり」
「どれもすごくいい感じなんだよ。リカちゃんもぜひ見てみて!」
「そうね、お手並み拝見してあげる」
上から目線のリカにはもう慣れちゃって、まったくイライラしてこない。
そんな彼女に、あたしは微笑みかけながら言う。
「文化祭にはリカも行こうね」
一瞬真顔になったリカは、俯きながらも嬉しそうに口角を上げてコクリと頷いた。
なんか、だんだんリカの素直な部分が見えてきて、前よりずっと可愛く思う。
こういうギャップがあるところ、サブさんが見たらキュンキュンしちゃうんじゃないかなぁ。
……うん、やっぱりあたしはサブさんを応援したい。
「ねぇリカ。秋ちゃんは倍率高そうだしさ、サブさんとかはどう?」
「は!? タイプがまったくもって真逆じゃない!」
あは、予想通りの激しいツッコミ……。