悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
柳が通う御坂(ミサカ)高校は、葉藍前のバス停から約十五分。
柳からその道案内はメールしてもらっていたから、なんとか迷わずに行けそうだ。
御坂高校の最寄りでバスを降りると、すぐ近くに数字が目印のお店がある。
これね、柳が待ち合わせようって言っていたコンビニは。
荷物を手にその扉を押し開けると、コミック雑誌を立ち読みしている一人の男子が目に入る。
長めの髪で横顔はよく見えないけど、この間と同じミリタリージャケットに身を包んでいる彼は、間違いなく……。
「やーなーぎ」
「ぅお」
顔を覗き込むと、驚いて軽くのけ反る柳。
「おーびっくりした。ちょっとだけ待って、今ジャンプがすげーイイとこだから」
再び夢中になって漫画を読む柳に、あたしは呆れた笑いをこぼした。
マイペースだなー相変わらず。
一分ほどで読み終えたらしく、満足げな顔で分厚い雑誌を棚に戻した彼は、あたしに改めて挨拶する。
「おっす。よく迷子のひよこちゃんにならなかったな」
「……おかげさまで」
嫌味っぽく言うと、クスッと笑みを漏らした柳は、あたしの持つ荷物に手を伸ばす。
あっ、と思った時には、もうあたしの荷物は彼の手に渡っていた。
柳からその道案内はメールしてもらっていたから、なんとか迷わずに行けそうだ。
御坂高校の最寄りでバスを降りると、すぐ近くに数字が目印のお店がある。
これね、柳が待ち合わせようって言っていたコンビニは。
荷物を手にその扉を押し開けると、コミック雑誌を立ち読みしている一人の男子が目に入る。
長めの髪で横顔はよく見えないけど、この間と同じミリタリージャケットに身を包んでいる彼は、間違いなく……。
「やーなーぎ」
「ぅお」
顔を覗き込むと、驚いて軽くのけ反る柳。
「おーびっくりした。ちょっとだけ待って、今ジャンプがすげーイイとこだから」
再び夢中になって漫画を読む柳に、あたしは呆れた笑いをこぼした。
マイペースだなー相変わらず。
一分ほどで読み終えたらしく、満足げな顔で分厚い雑誌を棚に戻した彼は、あたしに改めて挨拶する。
「おっす。よく迷子のひよこちゃんにならなかったな」
「……おかげさまで」
嫌味っぽく言うと、クスッと笑みを漏らした柳は、あたしの持つ荷物に手を伸ばす。
あっ、と思った時には、もうあたしの荷物は彼の手に渡っていた。