私はあなたになりたい【短編】
私はあなたになりたい
泥水のような色をした、どす黒いコーヒー。

私はそれを1口飲んだ。

……苦い。

独特の苦味に顔を歪めていると、あなたが笑う。

「ジュースにでもしまちゅか?」

赤ちゃん言葉で聞いてくるあなたに、
「入りませんー」
と、私は言い返した。

あなたはおもしろそうに笑うと、私の前に砂糖の入った小瓶を置いた。

「苦かったら、入れてもいいんですよ?」

子供扱いするあなたを、私は上目づかいでにらんだ。

でも、本当はちょっと嬉しいんだけど。
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