真夜中のパレード


認められない。


認めたくない。



その感情を認識してしまえば、
すべてが終わる気がした。


恥知らずもいいところだ。


自分はいつから
そんなに惚れっぽい性格になったのか。




……天音さんに、何て言えばいい?



どうしてなのか、理由がつかない。



けれど、車の中で涙を流す七瀬透子を見てから、
深く心を染める思いは、変わることがなかった。




前より小さくなった彼女の背中を見ると、
いてもたってもいられなくなった。






――自分が七瀬透子を、守りたいと思った。




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