真夜中のパレード
「デートじゃないんですか?」
すると嬉しそうに頬を緩め、
透子の手をぎゅっと握った。
「いえ、少なくとも私はデートだったら
いいなと思ってますから、嬉しいです」
恥ずかしくなって口をとがらせた。
「上条さん、本当に時々意地悪ですね」
「嬉しいんですよ」
透子は自分の指先をじっと見る。
冬馬が自由に使えるネイルサロンが近くにあると言われ、
Santanaに寄った帰り(強制的に)爪の手入れをしてもらった。
本人は口調も態度も粗暴に見えるけれど、
なんだかんだ言ってヘアセットやメイク、ネイルを彩って
女性を美しくする仕事は本当に好きらしい。
彼の手際の良さと出来栄えから、
冬馬の技術が高いことがよく分かった。
透子の友人に彼も興味をしめしたようだ。
「仲のいいお友達なんですか?」
「ええ。
同郷で、私が幼い頃から知っていて。
冬馬は……あ、冬馬って名前なんですけど。
彼の職場と私の大学が近かったので、
こっちに来てからも時々会うんです」