課長が私に恋してる?


昨日今朝と子供っぽい如月課長しか見て来なかった。
こんなふうにオトナの余裕で褒められるとどうしていいか分からなくなる。



しかもあの鬼課長如月が笑って褒めてくれるなんて奇跡に近いんじゃないか!



うっひょい!と上機嫌でステップを踏む。



そうだそうだ見たか如月真矢!
部署が変わってから約1年半、寝る間も惜しんで簿記もエクセルも勉強したんだもの!一生懸命やったもの!



もう、前みたいな琴子ではない。
ちゃんと戦力になれているのだ。



その事実が、如月がそれを認めてくれたことが、琴子はとても嬉しかった。



…ーー『次から頑張ろうなんて思うな。それはお前の甘えにしかならない』



ふと、1年以上前に聞いた声が蘇る。
あの冷たくも優しさと厳しさの滲む声をバネに、琴子はここまでやってきた気がする。



琴子はこの会社(琴子が勤めるのは大手電気機器メーカーであり、琴子も内定が決まった時はずいぶん喜んだものである)に新卒で入社してすぐに庶務課に配属になったのだが、 もともと理系だったこともあり本当は企画課で商品開発チームに入りたかった。



しかし庶務課で2年が経って、さて今度こそと異動が決まった時、なぜか経理課に配属になったのだ。



いや、確かに理系ですけどもと甘い気持ちで配属1日目を迎えて琴子は現実を見ることとなる。



< 47 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop