課長が私に恋してる?


ごほん、と気を取り直すように咳をして、如月は軽く頷いた。



「ああ。特に問題はない、仕事が早くて助かる。確かに受け取った」



そう言って課長はふっと笑う。
何故微笑まれたのか分からなくて首を傾げると、それに気付いた如月は意地悪く言う。



「少し前まではコイツほんと使えない奴だと思っていたが、よく成長したな」



「わ、悪かったですね」



確かにその通りだったので何も言えないけれど。
嫌味な男め、と思って、べえっと舌を出すと彼は呆れたように笑う。



「なんだ、褒めているのに。今では我が課の主戦力だからな」



そして彼は立ち上がる。ちょうどお昼だし、如月もどこかに食べに行くのだろう。
あたしも食堂行こうかな、と課長のデスクから踵を返そうとする。



「高遠」



呼ばれた声に振り向く。横にいた如月課長は琴子の頭にポン、と手を置いて。



「これからも期待してる」



そう言って通り過ぎていく。



滅多に人を褒めない、課長が褒めてくれた。
しかも、大きな掌のぬくもり付きで。



(う、うわあああああ!)


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