課長が私に恋してる?


「……とそんなところか。ところで」



ほとんど涙目のまま、もうぜんぶやり直しじゃーん!という叫びをなんとか心の中で抑えて、「ふぇ?」と如月の言葉に振り向く。



「ここまで俺が言ったこと、メモも取らずに全部分かったのか?」



スッと細められた目。
なにを意図されたか分かって琴子は青ざめる。



そうだ、先輩がせっかく教えてくれたのに、この結構な量をメモも取らずに聞いてまた分かりませんなんて通用しない。
ここはもう高校や大学の部活ではないのだ。



入社3年目にもなって、それを指摘されて琴子は情けなくなる。



「す、すみません……!」



慌ててメモを取って、聞き逃したところを、もう一度聞いてもいいかな、とチラリと顔を窺う。
さっきの冷たい視線が脳裏によぎってこれは叱られるかも、と覚悟してみるも、しかし予想に反して如月はもう一度最初から順を追って説明してくれた。



説明が終わってからは、まだメモを続ける琴子の横顔をじっと見ているのが横目から分かってなんとなくいたたまれない。



「……よし、っと。ありがとうございました!」


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