課長が私に恋してる?


これでなんとかなりそうかも、と顔を上げてお礼を言う。



しかし、依然如月の顔は固いままだ。そして次に言われた言葉は。



「もう少しデキる社員だと踏んでいた」



そんな、容赦のない言葉で。
その残酷な台詞に絶句する。



「……と、さっき課長に言われていたのを、聞いたが」



しかし続けられた言葉にハッとして、どう反応していいかわからないままフニャリと笑った。
そう、その台詞はその日の午後に当時の課長に言われたものそのものだったのだ。



「………聞かれてたんですね」



あまりに仕事が遅い琴子を見兼ねて、課長がかけた言葉はそれだったのだ。
そう声をかけたあとで課長はさっさと帰宅してしまったのだが、琴子はその場で自分の不甲斐なさに涙ぐんだ。まさかその場を見られていたとは。



「お恥ずかしい限りです。でも、本当のことなので」



実際琴子は名だたる大学出身であるため、デキると、そう見られがちではあるのだが。
なんて事は無い、大学名より経験がモノを言うのだと入社して以来琴子は常々感じている。



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