足音
「自分に好意をもってもらってるだけで、感謝しなきゃ。ね」
――あぁ、わかった。
今の会話で、全部。
わかっちゃったよ。
なんで私、ここまで受け入れて欲しかったのか。
なんで私、彼を勝手に王子さま認定したのか。
なんで私、彼の隣が落ち着いたのか。
がらがらと閉じてく扉を見ながら、私はわかってしまった。
――好きだからだ、と。
全部の感情の答えは、この二文字で片付けられたのだ。
好き、だけで。
彼は、私を拒絶した。
わかったじゃないか。彼の答えが。
フラれて気づいた感情に、なんだか泣きたくなった。
遅いのだ。
王子さまは、いないのだ。