【短編】毒舌教師の甘い罠
あたしだって、本当はもっとみんなみたいに翔ちゃんと仲良くしたいし。
翔ちゃんが作る人だかりに加わって、もっと積極的にアプローチしたいけど。
元々翔ちゃんに興味ないキャラだったあたしは、今更そんなことできなくて。
誰かに相談したくても、この恋を打ち明ける勇気なんかあたしにはなくて。
今にも溢れ出してしまいそうなこの想いを、ずっと1人で抱え込んできたんだ。
くだらないプライドや恐怖心が、今でも道を塞いだままなんだ。
「このレベルの問題が理解できたなら、次のテスト期待できるな」
そう言って嬉しそうに笑う翔ちゃんを見て、ドキンと胸が高鳴る。