«過去アリ少女と訳アリ集団»



「……そう、なら…もういい…金輪際僕に近づかないで」




「─なあ、お前それでいいのか。お前、独りになるんだぞ。それ位分かんだろ」




「だから、言ったよね。もういいって。僕は今まで独りきりになるのが怖くてずっと尚といた。でも、そんなこと、全然怖くないんだってことを知れた。本当に怖いのは、信じていた人に、裏切られ、そして…失ってしまうことだ」





「………」





「得るから失うんだ。失うくらいなら、もういらない」









それだけ言い、尚達に背を向けて歩き出す。





「…おい待てよ」




「…放してよ。言ったでしょ。近づかないで。それに、今引き留めたのだって僕を説得してまた利用しようとするだけでしょ」




「─っ」





「…ほら。言い返せない」






軽蔑の目を向け、握られた手を振り払う。








「…さよなら」






尚にも…そして、僕にも──。




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