禁じられた放課後


突拍子もない質問に、涼香は一瞬息が止まる。

いきなり出て来た直哉の名前にも驚いたが、何かをしでかしたとはどういうことだろう。



「私見たんですよねー。吉原先生が校長室に入るとこ。何かすごい悩まし気でどよぉ〜んって沈んでて。まるで怒られる前みたいな様子だったんですよ。だから何かやっちゃったのかな、なんて思ったんですけど」



直哉が校長室に。

呼び出されたのか、自分から行ったのか。



「そうそう、ちょうど流星群の次の日でしたよ」



流星群の次の日……。

涼香は瞬きも止まるように瑠未を見上げた。



まさか早川とのあの夜の出来事を話したのは直哉なのだろうか。

それをたまたま校長室の前を通りかかった誰かに聞かれて、そして生徒の間に間違った噂が流れてしまったのだろうか。

涼香の中で複雑な感情が沸き上がる。

直哉自身が勘違いしているのか。

いや、でも涼香に何の言葉もなく第三者にその話を……。




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