先生の手が触れる時

しばらくして落ち着いたところで
私は、父から言われた先生の件と先生を守るために別れることを伝えた

凜はずっと真剣な目で私を見ていた

「……凪は……それでいいの?」
「……うん」
「………凪…」

私は持ってきた先生の絵に触れて少し微笑む

「先生を苦しめたくない……先生には笑っててほしいから…良いの」
「……」
「たとえ、そばにいれなくても…先生の人生と私の人生が…少しでも交われたことで…もう充分…」

瞳から涙がこぼれた

わかってる。
きっと、離れたらとてつもなく苦しいことも
でも、先生が辛い顔をするのはもっと苦しいの

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