先生の手が触れる時


「……馬鹿ね。ほんとに馬鹿」

凜はそう言うと、私の頭を撫でる
その姿が先生の姿と重なって胸がぎゅうと痛くなった

「………っ……せん、せい……」

そのまま、せきをきったように私は泣いた



後悔しない選択をする

どちらを選んでも後悔する

側にいることを選べば、先生の辛い顔を見て後悔する

側にいないことを選べば、離れなきゃ良かったと後悔する

どちらを選んでも後悔するなら
私は、先生を守れる方を選ぶんだ

だって、それしか私には出来ないから

先生が笑ってたら、きっと後悔なんてしない

だから、これでいい。


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