先生の手が触れる時

私もその後ろ姿を見送ってから
凜と待ち合わせしてる場所に向かう

「…凜!」
「凪!」

笑顔で手をふる凜の元へ向かう
するといきなり凜がにやにやして私を肘で小突いてきた

「…晴夏と何か手繋いで歩いてたって聞いたわよ?付き合ってるの?」
「…いやいやいやいや!付き合ってない!」

なんで、そんな話になってるんだ…

「じゃあ、なんで一緒にいたの?」
「……それは…」

私は凜に先生とぶつかったことを話した

「動揺、したんだと思う…先生が私の名前呼ばなかったこととか…今までと違うってことを突きつけられた気がして…」
「それで、泣きそうな凪を見て、アイツが中庭まで連れていってくれたと」
「そう…だから、付き合ってるとかそういうのじゃないよ!」

そう笑うと、凜はそっかーと宙を仰いでまた私を見る

「凪は…まだ先生のこと好き?」
「………うん……もう先生は…好きじゃないだろうけど…」

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