先生の手が触れる時

「あー凪と晴夏はそんなんじゃないよ、あのとき凪、怪我したらしくて連れてってあげたんだって~」
「え?そうなの?」
「晴夏と凪から聞いたから、間違いない!」

そう言って、ちらりと先生を見るとごめん、と頭を下げていた

「お前ら噂もいいけど、ちゃんと反省書けよー」
「「「はーい」」」

そう言うと、先生はその場を去る


その後、集まりが終わったあと
私がトイレから戻ってくると、そこには先生がいた

椅子に座り、遠い目をしていた

「……先生?」
「あー、深山か」

先生が苦笑いをする。
少し、気まずいのかな

「…先生、しっかりしてくださいよ。あんな分かりやすい反応…」
「…ははは、あのときは助かった」

力なく笑う先生。
こうさせてるのは、凪なのかな

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