先生の手が触れる時



「…君を…綺麗だと思ってた…ずっと」




初めて見たときから今この瞬間ですら

惹かれるとはこういうことを言うのか、とそう感じた。

君が俺の絵をみて泣いていたのをみたとき
まるで絵のなかに君はいるようで
しばらく声がかけられなかった

あぁ、そうか。
俺は

遠野のことが……好き、なのか


気づかないようにしてた
“教師だから”
そんな言葉で逃げていた。

そうだ、助けたいと思ったのも彼女が好きだからだ。

それが俺の正直な気持ちだ。

きっと伝えることができない気持ち

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