先生の手が触れる時
父親はそう言うと乱暴にドアを閉めて
出ていく
抱かれなかったことに安堵しながらも
まだクラクラする頭を押さえる
「先生……」
先生に迷惑はかけられない…
でも
私にはもう
支えがないと立つこともできない
先生に会って
先生の絵をみて
先生に触れて
先生は私の真っ暗だった日常に
光をくれた
どうしたら、いいのだろう
「分からないよ……」
父親の暴力に涙すら流れない私の体は
いつか本当に壊れてしまうのかもしれない