先生の手が触れる時

教室の端においてある机。
棚にはいくつもの教材や絵具

そして部屋のほとんどを埋め尽くすキャンバス。

殺風景な部屋に、まるで色をつけたかのように広がる

準備室というよりは
緑川先生のアトリエって感じ

私は少し微笑んで

今までのようにあの女の子の絵の前に座る


他の絵は鮮やかに彩られていっているのに
この絵だけはずっと変わらない

ずっと沈んだまま




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