すずめ日記
男所帯の職場は配達を済ませて店に戻ると荷造り紐やビニール袋が朝も夕方も毎日、散乱したまま。

何も言わずに散乱したゴミをごみ箱に入れ、ホウキと塵取りを手に店を掃除し始める、わたしを学生たちも従業員も全く眼中に無いように無視して作業をしたり雑談したり。

ここは なんなんだ!!と思うが、1人前に配達もできない状態では何も言えないと思った。

「あんた!何いらんことしてんの?」

面と向かって言われたこともある。

嫌がらせに新聞広告を隠され、販売店に広告を出した会社や商店から苦情の電話がかかってくるたびに、店主に呼び出され口喧しく「何やってくれてんねん!このど阿呆!!」と叱られ泣きながら平謝りした。

帰りたい。今すぐこんなバイト止めてしまいたいと、思いつつも、出発日の父の言葉が思い出される。


「1年間は何がなんでも帰ってくるな! 絶対に帰ってくるな!!」

帰れない。帰っちゃいけない。決して途中で投げ出すものか!

泣きながら自分自身に言い聞かせた。
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