【完】あたしはニセカノ。
ニヤニヤしているあたしに、



申し訳なさそうな顔を見せる、三田村くん。



「せっかく作って来たのに、残念だな…俺、昼飯ないし、一緒に食う?」



…へ?



あたしは、涼くんと。



三田村くんの言ってることが、理解できない。









「なんかさ、中学んときのダチと約束してるって。門の外で待ち合わせだって言ったけどな」



…はい?



約束は、あたしとじゃなくて?



「三田村くん、あたし…用事思い出した!」



「あっ、おい」



三田村くんの声がしたけど、振り返らず、



あたしは、ひたすら走り続けた。



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