あなたと
第二章 新しい環境
呼び名・・・

絶望と恐怖で泣いていた私だったが
先輩方と話しているうちに涙はおさまり
笑顔の時間が増えていた。
そうこうしていると、生徒会長の綺娘さんから、
「ねぇ、朷条さん。あなたのことトキちゃんって呼んでいい?」
と聞いてきた。
私は、驚いた、
『トキですか?』
と、聞き直してしまった。
「朷条さんの、名字と名前の頭文字をとったの。朷条の〔と〕と、綺羅の〔き〕でトキってしたんだけど嫌かな?」
と、綺娘さんは不安そうな表情で聞いてきた。
『…』
「いや…だよね。なんかごめんなさい。」
と、悲しい表情で謝ってきた。
『いや…ごめんなさい。突然だったので驚いてしまって。…ありがとうございます。嬉しいです。』
と、私が答えると、
「無理しなくてもいいんだよ?」
今も泣き出しそうな表情だった。
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