クールなお医者様のギャップに溶けてます
「あー、疲れる。」

当直室でグッタリしているとこうちゃんと先輩が入ってきた。

「本山さん、お疲れ。神野先生、手際良いから大変でしょ?」

月曜日が内視鏡検査担当の先輩は初日からバリバリ仕事をこなす神野先生について大変だったと言う。
ベテランの先輩が大変なら中堅の私がグッタリしていてもおかしくないはずだ。

ただ、唯一救いだったのはどうやら私の事は覚えてなさそう、って事。
特に何も言われなかったし、そんな素振りもない。目線も合わない。
いやー、心配して損した。
気を使い過ぎて疲れたな〜。
あ〜このまま寝たい。

うつらうつらして夢心地でいると、いつも通りこうちゃんがまとわりついてきた。

「亜樹先輩でも疲れる事あるんですねぇ。」

「あ?こうちゃん、私を何だと思っているわけ?」

うーん、と頬杖をつくようにして考える姿はやっぱり女子だ。

「亜樹先輩はぁ〜サイボーグ的な感じじゃないですかぁ〜?当直とかもよく入ってるしぃ、一日中動き回ってるし〜。」

サイボーグな訳あるかいっ!
私だって普通に疲れる。
休みの日はほとんど寝て過ごさないと体力が回復しないんだ。
自慢じゃないけど、学生の頃、徹夜で友達とレポートを書いていたら、睡眠不足で倒れた事がある。
休養は大事って身を持って感じているから、男よりも休養を取るせいもあるって彼氏ができないのに、サイボーグとは何事だっ。
プゥっとむくれていると先輩が笑う。

「二人は本当に仲良しなのね。」

「仲良しじゃないですっ!」
「仲良しでーす♡」

「あぁ?仲良しな訳あるかいっ!仲良くしてあげてるんですー。」

「ひどーい。泣いちゃうぅ。」

「泣け、泣いてみろ。」

「ふふふ、やっぱり仲良しね。あ、それより本山さん、急で申し訳ないんだけど、明日の当直と明後日の当直代わってくれない?」

「特に予定はないのでいいですけど、急ですね。」

「うん、あのね、彼が休み取れたから食事に連れて行ってくれるって言うの。」

頬を赤らめる先輩が可愛い。
そういえば最近彼氏が出来たって言ってたっけ。
いや〜幸せそう!
思わずにやけちゃう。

「亜樹先輩のにやけ顔気持ち悪い〜。」

「うるさいっ!」

せっかく可愛い顔を見て癒されていたって言うのにこうちゃんめ。
午後、たっぷり仕事させてやる。

「でも本山さんに朗報もあるのよ。実は明日の当直医は神野先生なの。」
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