クールなお医者様のギャップに溶けてます
「亜樹、そいつは誰だ?」

「神野先生ですよね?申し遅れました、私、山田と申します。祖父がお世話になっております。」

「山田さん?あのお見合いの山田さんか?」

「山田さんも彼女さんとお参りに来たんですって。」

ふーん、と言いながら食べ物を机に置き、私の隣に座る先生は明らかに態度が悪い。
山田さんの柔らかいオーラに対抗して邪悪なオーラが見える。

でも、そんな事を気にしない山田さんは「おーい」と手を振り、彼女であろう人物を呼び寄せた。

「紹介します。彼女の弥生です。」

「はじめまして。本山と神野です。」

いまいち状況を把握出来ない弥生さんが山田さんに目線で説明を訴える。
「お見合いの…」と言っただけで分かるって事は私の事を話していた証拠だ。

ただ、偶然にしてもなんでこの四人で食事(食べていたのは私だけだけど)をしなくちゃいけないのかは誰しもが疑問に思うところ。
それでも誰もがその事に触れる事なく、弥生さんが甘酒を飲み終えるまでそのまま四人で世間話をして過ごした。

「では、また何かあれば連絡して下さいね。」

意味深な目線を送られしばらく考えてみると、魔法使いのように何でも叶えるって言ってた事だと気付く。
弥生さんもにこやかにしていたから、色々と知らないのは先生だけっぽい。

「良いお年を。」と言って別れたけど、隣の先生は不機嫌だ。

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