クールなお医者様のギャップに溶けてます
恥ずかしながらも親に外泊の許可を得て、仕事を済まし、今私は先生のマンションの下にいる。
オートロックを解除してもらい、エレベーターで上がると、先生の部屋がある階に到着した。
インターホンを鳴らすと先生が出迎えてくれる。
「お邪魔します。」
「お疲れ。寒かっただろ。早く入れ。」
靴を揃えて中へ進むといい匂いがしてきた。
「ビーフシチュー?」
「鼻が利くな。正解だ。仕事したからお腹空いただろ?コート脱いだらここに座れ。」
「これ全部先生が作ったんですか?」
ダイニングテーブルにのっている料理は全部で4種類。
ビーフシチュー、カルパッチョ、温野菜のサラダ、パンだ。
「さすがにパンは買って来たものだが、あとは簡単なものだ。」
簡単って…。
まるでホテルのディナーみたいな料理に面食らう。
先生に促されて食べてみれば味も本物だ。
「すごく美味しい。」
「それは良かった。長年、自炊をしてきた甲斐があった。」
「先生っていつから一人暮らしなんですか?」
「大学に入学した時からだ。亜樹はずっと実家か?」
「はい。進学も就職も家から通える所にしたので。でも、すごいですね。そんなに早くから独立するなんて。あ!学生の頃の写真とかないんですか?」
「少しならあるが、そんなの見たいのか?」
若き日の先生、そりゃ見たいでしょ。
食事を終えたら見せてくれるらしいから、パクパクっと料理を平らげて、食器洗いを手伝い、リビングで待つ。