クールなお医者様のギャップに溶けてます



恥ずかしながらも親に外泊の許可を得て、仕事を済まし、今私は先生のマンションの下にいる。

オートロックを解除してもらい、エレベーターで上がると、先生の部屋がある階に到着した。

インターホンを鳴らすと先生が出迎えてくれる。

「お邪魔します。」

「お疲れ。寒かっただろ。早く入れ。」

靴を揃えて中へ進むといい匂いがしてきた。

「ビーフシチュー?」

「鼻が利くな。正解だ。仕事したからお腹空いただろ?コート脱いだらここに座れ。」

「これ全部先生が作ったんですか?」

ダイニングテーブルにのっている料理は全部で4種類。

ビーフシチュー、カルパッチョ、温野菜のサラダ、パンだ。

「さすがにパンは買って来たものだが、あとは簡単なものだ。」

簡単って…。
まるでホテルのディナーみたいな料理に面食らう。

先生に促されて食べてみれば味も本物だ。

「すごく美味しい。」

「それは良かった。長年、自炊をしてきた甲斐があった。」

「先生っていつから一人暮らしなんですか?」

「大学に入学した時からだ。亜樹はずっと実家か?」

「はい。進学も就職も家から通える所にしたので。でも、すごいですね。そんなに早くから独立するなんて。あ!学生の頃の写真とかないんですか?」

「少しならあるが、そんなの見たいのか?」

若き日の先生、そりゃ見たいでしょ。
食事を終えたら見せてくれるらしいから、パクパクっと料理を平らげて、食器洗いを手伝い、リビングで待つ。

< 141 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop