クールなお医者様のギャップに溶けてます
首筋を押さえてクルリと方向を変え、広い部屋の中央に置かれた電話を取る。

「サンドイッチとパンケーキと果物の盛り合わせをお願いします。大至急で。」

「何注文してるんだ?もしかして、妬いてるのか?」

「今の聡さんに私はあげません〜。」

「百合子とは何でもないぞ。一度も触れた事はない。」

「本当に〜?」

「あぁ。百合子みたいに色の薄い女は好まない。大体、他の男に染まってる女なんか以ての外だ。その点、亜樹は潔いな。今日は白だろ?完全に俺のものだ。」

ニヤっと笑う顔は王子様じゃなくて悪魔だ。
腰に手を回されグッと引き寄せられる。

「覚悟しておけよ。約束通りたっぷり口にキスをしてやるから。」

「んんっ!」

ビーッ

「ん?あ!オードブルが届いたのかも!」

聡さんを押し退けてドアへ走る。

ワゴンにはこれでもか、って言う位料理がたくさん乗って運ばれてきた。

「うわぁ!美味しそう!いただきまーす!」

「亜樹…、俺はどうしたらいいんだ?」

「聡さんも食べよ?ほら、あーん。」

「はぁ、結局俺が亜樹の色に染まるしかないんだな。」

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