クールなお医者様のギャップに溶けてます
「なぁ、何か香水みたいのつけてるか?」

香水…?
仕事柄そんなものつけるわけない。

「アロマオイル?」

あぁ、アロマならさっき山田さんに使ったなぁ。

「おい、答えろ。」

「はっ!山田さんアロマですっ。」

「山田さん?」

そっか。先生は患者さんにアロマを付けてる事を知らないんだ。
了解は院長に得たから当然か。

アロマの話をすると先生がオイルを持って来い、と言う。

ポケットに入ったままだったから先生に渡そうとすると今度は塗ってくれ、と言われた。

「私、休憩時間もうないので先生にこれ貸しますから自分で塗って下さい。」

するとPHSを取り出し師長に電話し始める。

「仕事させるって言ったら10分なら良いってさ。そのオイルでハンドマッサージしてくれ。」

何でこうなるの?
おかし過ぎるでしょ。
職権乱用だ。

抵抗を込めて動かないでいると手を引っ張られてソファの方へ連れて行かれる。

「5分だけでいいから頼むよ。」

どうしてそんなにマッサージして欲しいんだ?

「…あ!もしかして眠れてないんですか?」

「あ?」

「それならそうと早く言って下さいよ。」

オイルを適量手に取り、先生の手を取ってマッサージする。

大きな手だ。
ゴツゴツしてるけど、無駄な肉がなく、指はスラリと細い。

そういえば身体も細かった…。

って何余計な事を考えているの、私っ!?

気が付けば、恥ずかしさを隠すためにぎゅうぎゅう力を入れ過ぎてマッサージしてしまっていた。

恐る恐る様子を伺うと先生から寝息が聞こえてくる。

もう片方の手も軽くマッサージしてあげたら、近くにあったブランケットを掛けて静かに撤収する。

「おやすみなさい。」と声を掛けて部屋を出た。

< 46 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop