俺様系後輩からは逃げられない?!




「だって純くん、満更でもなさそうだったし。それにやっと純くんの素顔見れてきた感じするもん」


まるで天原純の女子バージョンの様に話す三嶋亜美





…素顔



どうゆう状況なんだろ、これ


今だに掴めていない私



「…どうしたの?」



私は気になって訊いてしまった







三嶋亜美は今気付いたかのように




「あっ、この前の先輩。いたんですか〜」





…いましたけど





「それより純くん、お昼食べようよ〜昼休み終わっちゃう」




「…早く終わればいいじゃん」



天原純は嫌そうな顔をしている





「何があったか知らないけど、今日はとりあえず引いてもらえる?」




「…先輩は純くんの何なんですか?」




「え」




「この前は、彼女じゃないとは言ってたけど、『今日は引いてもらえる?』なんて言葉、あなたみたいな人が言う権限持ってるんですか?」












…この子





天原純と同じタイプみたいだな…






裏があるタイプ







それにしても、

言い返す言葉が見つからない…






三嶋亜美は不機嫌な顔をしている





天原純は期待した顔をしている




…何を期待してんのよ!







「…わ、私はね!純くんの宿敵だから!…だ、だから言ってもいいの!」





我ながら

何言ってるんだろう、本当…








天原純はまた溜め息をした



「はぁ〜…」







「…何言ってんの」






ごもっともでございます

自分で言ったことですけれども




すると天原純は、怒り気味なのか
何か殺気を放っているようにも見えた


「小春先輩は僕の獲物だから。僕と小春先輩の勝負だから、邪魔しないでほしいんだよね」







…僕の獲物って



なんか本性出ぎみだけど…







「でも純くんは…」





純「その『純くん』ってやめてくれない?そう呼んでいいの、小春先輩だけだから」








…何それ


何だか恥ずかしくなってくるじゃん








「…それに、本当に僕のこと好きなの?」




三嶋亜美はドキッとした顔をした





「…君、僕と似てるような気がしたから。…裏の顔とか?」





三嶋亜美はさらに
ギクっとしたようだった





眉間にしわがよってきている







「1年生で1番人気の奴と付き合えば更に有名になって……ってところか」





天原純は全てお見通しだという顔をして満足気だ





一方の三嶋亜美は少し震えている






私は何も出来ず、ただ棒立ちしている







「そうよ、あんたの言う通り。でも私だって……グスッ…」



三嶋亜美は手で顔を覆い、
泣き出した





「嘘泣きは見苦しいぞ」





…嘘泣き?






「…なーんだ、バレてたか」











騙された…








「でも嫌、諦めない」




「そんなに周りからの評価が大事なわけ?俺もそうゆう時期あったけど、それで自分の価値見出すのは違うと思うぞ」



「なっ…」




「それにあんたと俺は合わないよ、性格的に」




天原純はすっかり本性を出している







「…そうね、合いそうにないわ。あなたのことはやめる、迷惑かけてごめんなさいね」










あれ?




あんなにしつこかったのに

あっさりとひいた…





「私の本性、誰にも言わないでよね」



三嶋亜美は私と天原純を睨みつけている




「君次第だよ」



「…もう話しかけないわよ。それにあんたの本性だってバラすこと出来るんだから。肝に命じておきなさいよ」




そう言って三嶋亜美は去って行った





すると天原純は疲れた顔で言った


「ふーっ、やっと解放された」




「何があったの?この数日」



「あいつめちゃくちゃしつこくて、小春先輩のところ行こうとするの妨げてくるし…」



「満更でもなさそうだったのに?」



「なに、妬いてんの?」



天原純はとぼけたように、顔を近づけて訊いてくる





「…別に妬いてないけど」





すると天原純はへへっと笑い出した



「それは、小春先輩が妬いてくれるかもって思ったから。俺もあいつのことちょっと利用しようとしちゃったの」









…なーんだ



だから期待した顔してたのか






「まぁ、少しは収獲あったかな?」






天原純は満足気な顔をする





それを見てキュンとする私の胸









…本当何だろコレ


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