俺様系後輩からは逃げられない?!
謎の気持ちの正体





----終業式




夏休み直前






「やーっと夏休みだ!」



「部活してない人はいいですよね〜」


親友の茉実が羨ましいそうにして言ってきた


「いやいや、暇すぎるのも辛いよ」







終業式も終わって、皆が帰り出した頃

私は茉実と帰る準備をしながら話していた




すると


「小春せーんぱーい!迎えに来ましたよー!」


「いや、私、茉実と帰るんだけど」


「あれ、言ってなかった?私今日部活だから」




え、うそ

私、てっきり一緒に帰るもんだと…




すると茉実は天原純に目配せした


天原純は茉実に軽く会釈する




「バイバイ!部活休みの日は遊んでね」


「うん、バイバイ」



茉実は教室を出て

教室には私と天原純だけになった




「小春先輩、帰ろ!」


「…うん」



天原純は私の顔を覗き込んでニヤニヤしている



「なんだか先輩、おとなしくなったね。抵抗しないし」


「…どうゆうこと?」


「俺のこと好きなんじゃない?」


「んなわけないでしょ!ほら、帰るよ」








…おとなしくなったつもりはないんだけどね




ただ、最近は
落ち着きがなかった気がする





抵抗しないのは、する理由がないから…

うん、ただそれだけ!







「あ、そうだ、先輩。今度の日曜日に花火大会あるけど行かない?屋台も出てるよ」






日曜日かぁ

あいてるけど

天原純と行くのかぁ…


でも花火見たいし屋台も行きたいな





「う…ん、じゃあ行こうかな」



「やった!」



子供みたいに喜んではしゃぐ天原純





そういえばコイツ

前まで俺様俺様みたいな感じだったのに


最近はなんだか

無邪気に笑うというか…


素直だよな


最初の方でもそんな顔することあったけど



なんだかつかめないな…
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