幼なじみの彼と彼女
穏やかな風が吹く。

小さな子供達が楽しそうに遊んでいる公園内のベンチで二人は腰を下ろした。

「これ、1日だからいいけど、毎日だったら大変だよな」

祥太郎がしみじみと言う。

「そうねー」

確かに、毎日色んな事に追われて生活をするのは大変だ。

「でも、そこに愛情があるから、みんなやっていけるのかなって思う」

祥太郎は梓を見て笑った。

「いつか、遠い将来、こんな風に過ごせたらいいな、なんて思う」

祥太郎はそう言って晴れ渡った空を見上げた。

「…それは私と?」

わかっているんだけど、わざと聞いてみる。

「…それ以外にいると思う?」

祥太郎の照れた眼差しが可愛かった。
< 77 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop