遠い記憶に君がいた。

職員室に着くと

私の担任であろうという先生が
こちらへ向かってきた。

「美波さんの担任を務めさせていただきます、佐藤太一です。
美波さん、よろしくね。」

佐藤先生が
笑顔で私に笑顔で話しかけてきた。
若々しくて頼りがいのありそうな
先生だった。

「まずですね、お母様。簡単に説明させていただくと私のクラスは2-E。男子20人、女子22人の42人のクラス編成で成り立っています。女子にグループはなく、みんな平等に仲良くしています。なので美波さんにとってすぐに馴染めるクラスだと思います。」
「そうですか、それを聞いて安心しました。」

私には先生の言葉が嘘に聞こえた。

グループのないクラスなんて
この世に存在しないと思う。

「あ、もう朝の会が始まりますがどうなされますか？」
「私は１回家に帰って、帰る頃にまたきます。」
「わかりました。」

先生とお母さんが
話しているとき
私は一言も口を開けなかった。

私的には馴染めそうもないクラスだ。