遠い記憶に君がいた。
お母さんと別れて

佐藤先生の後ろを
ついていった。

2-Eと書いてあるクラスの前で
待っていてくれと言われ
先生は先にクラスに入った。

「おーい、みんな。聞いてくれ。転校生がいる。」

するとクラスはすぐざわついた。
「えー、だれだれ?」「女子ー?美人だといいなぁ。」「何で今なのー?」
「はいはい、静かにしろー!おーい入ってきてくれ。」

その言葉を聞いた私は
クラスに入った。

入ると同時に
ある男の子が立った。
私と知り合いのような目をして
驚いている顔。
「お…お前…」
「おい、お前ら知り合いだったのか?」

私は
横に頭を振った。

黒板に名前を書いて
「静岡から引っ越してきた美波冴侑です。ゴルフを4歳の頃からやってます。よろしくお願いします。」

拍手がこみ上げてきた。

「じゃあ美波はさっき立った健介の隣の席が空いてるだろ。そこに座ってくれ。」

席に着くまでに
色々な人たちに声をかけられた。
私はそれに頷いただけだった。

席に着くと隣の男子岡田健介が話しかけてきた。
「お前、覚えてないのか?」
「なんのこと?」
「いや…何でもない。俺の事は健介って呼んで。」
「私の事は冴侑って呼んで。」

彼は
私の事を知っているような感じだった。

しかし私は
彼の事、彼の顔初めて見たが
何か引っかかることがあった。

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