彬へ・・・。

記憶

さぁ、ここから思い出してみようか・・?
あの幸せな日々を・・
あの辛過ぎる別れを・・






高校を卒業してすぐ、私は2週間の合宿免許に発つ。
場所は山形・・忘れられない場所・・もう二度と行きたくない場所・・


初日は、まだあなたはいなくて、私は友達もいなくて一人だった・・

寂しかった・・

でも確信があったんだ。私には前日、夢で恋に落ちる自分を見たから・・その夢を信じてた私は、まんまと、彬・・あなたに恋に落ちた・・。


2日目、ホテルのロビーでバスを待つ私・・
大好きな曲を聞きながら待っていると、あなたが話し掛けてきた。


覚えてる?・・わけないよね。
私は彬から「バスっていつ頃来るんですかね」って聞かれて、男性としゃべった経験があまりない私は、あの時うまく話せてたのかな・・?


「もうすぐで来ると思います」普通な言葉しか出てこなくて・・

でもバスを待つ間、彬は私の目の前の席に座ってバスが来るまで話してたよね。

あれだけで幸せだったのは、あなたがかっこよかったのと、気が合って話しやすかったから・・?


バスが来て、別々の席に座って・・学校へ向かう

これから話すことはもうないだろうと、少しガッカリしてる自分がいて、
この気持ちはなんだろうと思う自分がいて・・


私は、ホントに何を思ってるのかな・・

こんな、たった1度の
会話に、私は恋に落ちたというの?

でもそれは、すぐに明確になるものだったよ・・


簡単だった・・私が惚れやすいからとかではなく彬は、もう心の隅々まで埋め尽くして、私からそれを取り除いたら、私は私でなくなる気もしたんだ・・。


早いと思うだろう・・
でも、きっと、一目惚れだったんだ・・


彬の声も、笑顔も、仕草も香も・・あなたを取り巻くすべてが愛おしいと感じたんだ・・・。


おかしいと笑われても私の気持ちは揺るがない。


私、彬が愛おしい。



あなたが例え、私を愛してくれなくても十分幸せだよ。


側にいるだけでいい。


ずっと・・


ずっと・・・
< 2 / 14 >

この作品をシェア

pagetop